栗林公園の後に 香川県高松市の中心街を散策しました。
高松市は 松平11代220年を通じ城下町として栄えました。
明治維新の廃藩置県後、香川県の県庁所在地となり
四国の玄関口として発展し人口33万人を数えています。

 朝日新聞社刊の「民力」データベースで見た 高松市の特色を挙げると、支店経済都市としての色彩が四国4県都の中で最も強い事でしょうか。
 ここは宇高連絡船&四国の鉄道の基点で(愛媛、高知、徳島へ行くのに便利) 本州から最も近い事から 高松中心街を南北に走る中央通り沿いに、日銀の高松支店、高等裁判所があるほか 旧郵政以外のすべての政府出先機関が集中し、必然的に大手企業の四国支店も集まりました。
四国内の大企業 四国電力、JR四国、セシールも本社は高松です。
また四国内における卸売販売額の三分の一弱を高松市が占めています。
←新旧の香川県庁舎
高さ113m シンボルタワーが出来るつい最近まで高松一の高さでした。
ちなみに旧香川県庁舎は丹下健三氏の設計(建物を壊さずに残している事が嬉しいです 今は美術館になってる旧倉敷市庁舎もそうですが)

90年以降の地方公共団体本庁舎はおしなべて 高層化してますが 人口100万ばかりの香川県も同様。
香川県庁舎の最上階からは ご覧の風景が見渡せる展望スペースが用意され、喫茶店もあります。
写真左は北方向を望んだもので 四国最高層の高松シンボルタワーが見えます
写真右は北東方向を望んだもので 手前に中央公園 市街地の彼方に源平の古戦場として有名な屋島が見えます。

中央通りには高松市民のオアシス・中央公園があり、
高松出身の文豪菊池寛の銅像があります
香川の名所を図案化した番町地下道のレリーフ 
中央通り沿いは、美しい楠並木をはさんで近代的なビルが林立
 支店経済都市で転勤族も多く 瀬戸内海を挟んで阪神間との交易が盛んだっただけに四国4県都の中では最も情報や流行が速く伝播し、これが街の大きな経済活力に繋がり 実際、高松市は松山や姫路に勝るとも劣らないような 人口より大きな都市に見えます。

 しかし最近になって、高松市の市勢はやや停滞気味で 
広大な市域は飽和状態ではないにも関わらず 人口の伸びは停滞しており オフィスビルの空室率も増加しているとの事です。
 理由としては 瀬戸内海に3つの橋が架かり 四国島内も高速交通網が整備されたため(今は、四国4県都は大阪から車で日帰り圏)
四国における高松の中枢拠点・玄関口としての比重が下がった事と
全国的な不況の影響で、企業の機能集約により高松の支店を大阪や広島へ統合する企業が増え、大手都銀や証券会社の相次ぐ合併で支店数も減少した事などが挙げられるようです。
香川の第一地銀・百十四銀行本店(写真中)

 中央通りから丸亀町商店街の途中に高松市美術館(写真右)
私の好きな世界の版画や、国内の美術作品、香川の工芸品が展示されていました。
日本一のアーケード
 高松市の中心街を覆うアーケードは7つもあり、その総延長はなんと2.7kmで日本一です。
丸亀町商店街 兵庫町商店街 片原町商店街など複数の商店街が続いています。昔ながらの伝統を守る老舗に、ブランド店、セルフうどん店、書店、パチンコ屋まで一通りのラインナップ。
百貨店は三越(東京系)天満屋(岡山系)があります。
 四国4県都はいずれも大阪色が強いですが、
ここは支店経済の街だけに最も東京ナイズされていた印象を受けました。(大阪は一坪くらいの小さなスペースをフルに活かして名刺屋などの商売をやってる店があるが、高松はそういうのは少なく東京調に内装や構えをファッショナブルに営業している店が多い)
 香川県の面積は大阪府の次に日本で二番目に小さいですが、
それだけに昔から 人口稠密の讃岐平野の干害地帯に溜め池を作り水田を増やすなどで生存競争も激しく 実力主義的であまりのんびりしていない土地だとか…。
(香川には「抜け目ない」さまを「へらこい」などという方言もある)
『小豆島以外は県都高松から全市町村へ1時間圏内』と、伝達やコモンセンス(共通感覚)の疎通など行き届き易い面があるようで
香川県は総じて学力レベルが高く、殊に高松は都会の流行の飲み込みが速いとされています(実際、輸入車比率も8%超と西日本で兵庫、京都の次に高い…雑誌ベストカー調べ)。
 町歩きの楽しみは土地のものを食べることですが
高松といえばやはり、しこしこして太目の麺を薄味のだしで食べる讃岐うどんですよね。

 高松市内はうどん屋が非常に多く、
安価で気兼ねの要らないセルフのうどん屋が人気を博しています。
(私は今回はアーケード街のなかにある 普通のうどん屋に入ってみました。)
地元では香川県内の美味しいうどん屋のグルメ本も刊行され、書店に並んでいました。

 土産物屋をのぞくと『讃岐巻物うどん』なるものもありました。延し棒に巻かれたうどん生地を自分で延ばし 好みの太さに切って食べられる、 うどん作りが簡単に楽しめる手作りキットで 打ち方の指南書まで付いていてナカナカです。「讃岐巻物うどん」か「ナカノヤ」で検索してみて下さい。


 高松・街歩きのしめくくりとして 中央通り北端の、 高松駅前サンポート再開発地区をお見せします。
サンポート高松は 高松駅から高松港周辺埋め立てで総合開発する事業で、ここにはシティホテル
ショッピングモール、合同庁舎、市民会館、ランドマークが建設されています。

 “高松版六本木ヒルズ”なるふれこみ?で誕生した、四国一の高さを誇る高松シンボルタワー
タワー棟の最上階(30階)からは 高松市内の風景が楽しめます(写真下参照)し、レストランもありました。九階から二十八階までは賃貸オフィスです。
都会的なオフィスビルの中は 規模は小さいがこれまた洒落たショッピングモールも誕生(写真右)
なんだか 「高松でも東京風の事はできますよ」と言いたげですね(笑)。
高松港 ハーバープロムナード 高松港のフェリー桟橋群 高松城跡玉藻公園を上から
高松市の中心街 高松駅前広場を上から 高松駅ビル 垢抜けたが店の数は多くない

高松城跡玉藻公園(写真右)
高松城は日本三大水城に選ばれ、海に張り出した珍しい形態の珍しい城です。
豊臣秀吉の家臣 生駒親正が天生16年(1588)年に築きました。

 今回の高松の旅ですが、名園や知的スポット、ビジネス街、トレンド新名所などがコンパクトに集まり意外と楽しめました。中四国の街は、それぞれが個性的で、高松は岡山 松山 徳島とはまた違う味のある良い街だと思います。私の個人的な印象としては 松山=規模の大きな地方都市 高松=大都会ならぬ「小都会」 といった感じでしょうか。思った以上に歴史を感じさせる町でした。
高松市内・空港周辺の施設一覧
●高松市内・高松空港周辺の宿泊施設を ネットで予約できます

香川・高松市 ≪さぬき麺業≫香川県産小麦100%さぬきの夢2000生うどん香川県産小麦100%さぬきの夢2000生うどん3,500 円
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