大分県豊後高田市は 国東半島の北東側の付け根に位置する 人口3万余の小さな町です。
日豊本線 国道10号線 高速自動車道からも離れ 重工業の立地もなく
昭和30年代初頭までは 国東半島で最も賑やかな町場を有していたそうですが
この町も御多分に漏れず高度成長期は 市の停滞〜衰退への道を歩んでいました。

 鉄道廃止 市の過疎化で 長らく沈滞していた豊後高田市の中心商店街。
活性化の為に この町のウリは何か を見渡して見たところ 
昭和時代が残る古臭い町という 陳腐な材料しか見いだせなかったのですが 
逆にソレをウリにしようという事で 始められた町興し....。

 こうして始まった「昭和の町」づくり 当初は観光客もまばらだった町並みは
観光施設の整備が進むにつれ 脚光を浴びるようになり 
バスツアーも 宇佐神宮と併せてここを訪問地に加えるようになりました。
観光客が増えると 歴史的に意義のある建物に 商店が入居したり
櫛欠けとなっていた商店街も活気が戻るようになったのです。
 個性あふれる町作りに邁進する豊後高田を 町歩きしてみました。
 
  鉄道の無い町へ バスで行く

 鉄道が無い市 という事で 大分県宇佐市の宇佐駅からバスを
利用しました。
宇佐市と豊後高田市を結ぶ主幹ルートだから バス便は多いの
ではと思いきや 1時間に1本弱と決してその便は多くありません。 4kmを約10分で到着です。
 元々は豊後高田市にも ローカル私鉄が 日豊本線の宇佐駅から延びていました。
豊後高田のバスターミナルは 旧鉄道の駅舎跡に設けられたもので 鉄道駅だった面影は 鉄道が廃止されて40年たった現在でも感じられます。
 さて、このバスターミナルの前から伸びる商店街は 現在でも「駅通り」と名付けられています
  昭和ロマン蔵・ヴィンテージカー
 バスセンターを背に右折して “昭和の町”の核を占める観光スポット「昭和ロマン蔵」を最初に訪ねました。
ここは 豊後高田市を中心とする資産家の野村財閥が 昭和10年頃に米蔵として建てた旧高田農業倉庫だったものを改装して 展示施設としているものです。

 最初に目についたのはエンジンを始動させている昭和40年代の国産ヴィンテージカー!。
昭和の町では 周遊コース内を1000円の料金でビンテージカーを貸し出してくれるサービスが登場しています。

 貸し出す車は、ダイハツミゼット・キャロル・コンソルテ・スカイラインの4車種で 他の車種は展示される形になっていました。
昔の車と一緒に写真を撮ると良い記念になりそうですね。
周囲の風景と相俟って国産車っていいなと感じた一時でした。
 貸し出す車は整備された4台のみ。 昭和の町の範囲内を時間制限で など制約を設け
レンタカーというよりは あくまでも試乗感覚での貸出しとしています。
昔の車ですし然マニュアルミッション。独特の癖もありましょうし 慣れた人向けですかね(^^)
毎年12月には「昭和の町レトロカー大集合」というイベントも開催されるようです。
ボンネットバスもありますし(これについては後述) 車好きなら 豊後高田市の昭和の町は愉しめます。
  昭和ロマン蔵・駄菓子屋の夢博物館
 “駄菓子屋の夢博物館”は 駄菓子屋のおもちゃの博物館で 2002年に開館しました。
駄菓子屋のおもちゃの所蔵では日本一のコレクター 小宮裕宣さんが館長を務めています。
その20万点を超える収蔵品の中から、未公開のものを含む5万点を展示しています。

 
 時代の博物館でタイムスリップ
 駄菓子がぎっしりと並んだコーナーで 駄菓子を大人買い(笑)している人を横目に、館内に入るとショーケース、壁、天井まで、溢れる玩具たちに圧倒されました。

 明治の鉛めんこから、セルロイド人形、お菓子のおまけ、雑誌、レコード、映画ポスター、めんこ、鉄腕アトム、エイトマン、ウルトラマンなどなど........ 幅広いジャンルの昭和のキャラクター 玩具が集結していました。

 昭和レトロ好きなマニアなら 垂涎モノのグッズがあるかもしれませんね。昭和の町を訪れた人々は そこに漂う懐かしさを楽しみますがここは田舎町の博物館の割に(失礼) コレクションが大変充実し 見ごたえもありました。 
皆さんも ここで懐かしい思い出のキャラクターが見つかるかもしれません。
  昭和ロマン蔵・昭和の夢町三丁目館
“昭和の夢町三丁目館”は
空き地、ミゼット、駄菓子屋、自動車修理工場、洋装店などの昭和の情景を再現した展示施設です。
初めての「昭和の日」である2007年4月29日にオープンしました。

夢町に一歩入ると 昭和の時代にタイムスリップ
茶の間に五右衛門風呂 リアルな昭和の暮らしが
朝 昼 夕 夜 とシーンが変わる凝った仕掛けで体感できます。

開館時間は9時〜17時まで

このエリアは写真撮影に最高です
 入り口では紙芝居も行われていました。(写真上右)
 ←木製机が置かれた小学校の教室を模したスペースもあり 凝っています。
 
  生活用品やオート三輪車 ここに一歩入ると高度成長期の真っ只中であった
 昭和30年代の暖かい人情に満ちた元気な時代に出会えます。
 50代以上の方にとっては うちにもあったなあと感慨深く思える情景がそこかしこに.。
 この時代を知らない私の子供も ここは良いね と言っていました。

  昭和ロマン蔵には その他 昭和の絵本美術館 (黒崎義介画伯の童画を展示
 する美術館。2005年開館) 旬彩南蔵(レストラン)もあります。
  ボンネットバスが走る
豊後高田では 昭和の町の観光案内所で手続きして ボンネットバスになんと無料で乗る事が出来ます。
 観光客が増え テーマパーク的施設が生まれ 観光再開発が途につくと 次に目指すのが「静」から「動」への観光資源作り。

 車窓から昭和の町を体感して貰う意図でこのバスの運転が始まりました。 起点から起点へ戻る周回コースの乗車時間は10分。途中停留所への停車は無く 途中下車も出来ません。
 それでも無料ですから 相当の人気を博しており 私が行った日も1時間20分待ちでした。
 豊後高田 昭和の町を散策

 最後に 豊後高田の中心商店街を紹介しましょう。

 鉄道の廃止 市の過疎化で 長らく沈滞していた豊後高田市の中心商店街。
 活性化の為に この町のウリは何かを見渡して見た所 昭和時代が残る古臭い町という陳腐な材料しか見い出せなかったのですが 逆にソレをウリにしようという事で始められた町興し....。

 幸いにも 豊後高田市は 国道が市街地の比較的外側をかすめて走り 中心部のレトロ建築(蔵、銀行や劇場などの重厚な建物)が現存していたのが幸いでした。
 国東半島で最も賑やかだった商都だっただけに、人口は3万とはいいながらも それなりの集積があったのです。
 こうして始まった「昭和の町」づくり 当初は観光客もまばらだった町並みは 観光施設の整備が進むにつれ 脚光を浴びるようになり バスツアーも 宇佐神宮と併せてここを訪問地に加えるようになりました。

観光客が増えると 歴史的意義のある建物に商店が入居したり、櫛欠けだった商店街も活気が戻るようになったのです。
 豊後高田人は 元来の商人的才覚を発揮し 昭和の町商店街には
昭和30年代の学校給食を再現した店 揚げたてコロッケの美味しい店など
一店一店がそれぞれの個性を競うような よく出来た商品を提供しています。
若者受けを意識した店は確かに少ないですが この昭和の町に似合わない気がしますね。 
 通りの中ほどjにふるさと産品の市場もありました。

 商店街の長さは約550m。
普通このくらいの規模の商店街だと 通りの中央部や交通の要の周辺は賑やかだけれど 末端は客足も空疎なまま という事で感情的な対立が起こりそうですが、豊後高田の町はそれぞれの通りの末端に 程よく観光スポットが位置していますし、観光案内所で入手した散策マップを見ると「周回しないと損ですよ」と 各商店街の魅力を紹介した地図が描かれています。

 そういった工夫が功を奏して 観光客も昭和の町をグルッと周回しますし 共存共栄的町作りが図られていると感じます。

 商店街は 一般車両の通行を排除したような歩行者天国にはなっておりませんので散策の際には注意して下さい。
商店街の真ん中に 水流を生かした商業施設
 昭和の町展示館 (写真右上)
 旧大分合同銀行の建物が 小さな展示館にリニューアルされています。昔の映画を上映していました。

旧共同野村銀行 (写真左2点とも)
どっしりとした石造りの旧共同野村銀行は 現在ギャラリーに生まれ変わっています

 最近になってあえて懐古調に作られた看板などが並ぶと
張りぼて的様相を漂わせがちでウザイのですが、売られている地域産品がいずれも本物志向なのが強味だと感じます。
商店街の末端には 美しい川が流れていました。 この末端 桂橋の傍にある観光施設が「宝来開運館」で 
開運の物がたくさん展示されています。

 広義には小倉商圏、狭義には中津商圏に含まれるのでしょうか。 他県の金融機関が無い所や 福岡、北九州からの高速バス路線が無い点をみると 「市」とはいっても 昭和の大合併で成立した典型的な成歩都市というのが分かります。
雇用吸収の場に乏しいので 18歳になったら若者は町を出るという お定まりのローカルタウン。

 商店街は活性化しましたが 今後の課題としては リピーター確保と 農産・水産などそれを取巻く産業振興が待たれます。


 お腹が空いたので 駅通りの「大黒屋」という大衆食堂へ入りました。 店の入口を見ると25年間 値段も変えていない という良心的な店。懐かしいメニューから 私は親子丼 子供はカツカレーを注文 450円とは安い!

 店内の雰囲気も“昭和”を思わせる懐かしいもので 「ファミレスばかりじゃなくて たまにはこういう所がいいよナ」と感じました。
歴史があり 結構タレントも来ている店のようです。 味も良いのでお薦めします。
観光案内所は『昭和ロマン蔵』にあります。気さくな係員が 個性ある町の見所を上手に紹介してくれましたよ。

 豊後高田・昭和の町を楽しむには どの程度の時間を見ておけば良いか...。
 一般的には『昭和ロマン蔵』と昭和の町散策で 3時間程度でしょうか。 私達はこれに宇佐神宮を加えて 山口県から日帰りコースで満喫出来ました。 これにボンネットバス乗車 ヴィンテージカー試乗などを加えると4〜5時間は欲しいですね、

“昭和の町”隆盛で 町が個性豊かになっている事に
地元人の誇りも感じられました。
私達が訪ねた日は平日でしたが 土日だとかなりの活気が溢れていると思います。
アーケードは無く 九州の暖かい陽光が降り注ぐ懐かしい商店街皆さんも機会があれば 一度訪問されては如何でしょうか。


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